藤由越山

藤由越山は昭和12年(1937年)に東京に生まれる。普化宗尺八院代、伝承者である。

中里介山著「大菩薩峠」鈴慕の巻の中の尺八を論じた有名な文章を読み尺八を志す。

はじめ琴古流尺八荒木派技法を木村友斎師、現代尺八奏法を堀井小二朗師に学ぶ。

1960年に巨匠高橋空山師に巡り会い、1986年空山師が亡くなるまで26年間教えを受ける。非常に厳しいことでも知られていた空山師晩年最後の唯一の弟子であり、空山師は普化宗の尺八の伝統を後世に伝承するよう託した。

尺八の他に、一節切、篠笛、石笛、中国や韓国の縦笛・横笛、オカリナ、ディヂュリドゥーなど様々な笛を巧みに操る演奏家としても知られている。

また雅楽、声明、祭囃子など種々の分野の研究も続けている。

日本および海外におけるテレビ放送、教育番組、各種演奏会などの出演、普化宗尺八の後進の指導や普及活動に努めている。

アルバム:

CD「鈴慕」には、尺八の真髄を極めた真音(一音成佛)が見事に表現されている。

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4. 江河水: 中国民間音楽。出征して帰らぬ人となった夫のことを知り、悲しみのあまり入水した妻のなげき

6. 夜坐吟: 高橋空山師作曲。夜静かに詩を吟ずるも憂国の情抑へ嘆き心境

8. 光明: 諸仏の無量の功徳により罪業消滅し安心を得んと祈る (一節切)

鈴慕

1. 鈴慕: 行けども行けども地上の旅を行く人間の哀音、その何れより来たって、何れに行くやを知らず、萩のうら風物さびしく地上を送られ行く人間が、天上の音楽を聞いて、これに合せんとするあこがれが即ち「鈴慕」の音色ではないか(「大菩薩峠」鈴慕の巻)

2. 供養: 仏や死者に供げ物をし霊を慰める

3. 滝落: 人生には順境もあれば逆境もあることを、小川が次第に水量を増し河となって大海に至る過程になぞらへて述べる

5. 懺悔: 自己の言動・意思につき反省し、罪を犯すまいと誓ふ

7. 薬師如来: 諸病を除き心身安楽ならんことを願ふ  (一節切)

9. 巣鶴: 鶴が巣を造り、子鶴が生まれ、成長し、巣立って別れるまでの親子の愛と悲しみ

10. 鈴慕流: 鈴慕の変奏曲

6. 阿波鈴慕: 徳島の盆歌とゾメキ(囃子)を編曲したもの

8. 下がり葉: 独特の悲愴感溢れる曲

10. 秋田清掻: 神に捧げる音楽の贈り物

12. 霧海: 真理を求めて混沌の世をさ迷ひ歩く

虚空 

1. 三帰依: 仏陀と仏陀の教へとそれを守る僧侶の三つの大切な宝を敬ふ呪文

2. 虚空: 仏教思想における空を表現したもの

3. 回向: 死者の霊を慰めるために捧げる曲

4. シヅ: 曲意不明であるが神に対して素直な心を以て祈りを捧げる曲として演奏した

5. 陽関三畳: 中国古典 酒を酌み交しながら友に別れの情を述べたもの

7. 鈴法: 托鉢の折に吹く曲

9. 十六夜: 静かに月を待ち静かに月を眺める (忍流尺八)

11. 宮城清掻: 神に捧げる音楽の贈り物

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